プチバヤシのアメコミブログ

主に邦訳アメコミの紹介します。

SSUとはなんだったのか ~寄生か共生か~

 

最初に言っておきます。

寄生です。

 

 

SSUの始まり

まず、マーベルはその昔破産状態に陥り、作品の映画化権をいくつか売りました。

その際、ソニー・ピクチャーズ・エンターテイメントはスパイダーマン関連キャラの権利を取得しました。

そこでトビー・マグワイア主演の『スパイダーマン1~3』、アンドリュー・ガーフィールド主演の『アメイジング・スパイダーマン1,2』を作りました。

その後、マーベル・エンターテイメントの作るMCUシリーズと同じ世界観であるトム・ホランド主演のスパイダーマンを作りました。SSUの始まる前に作られていた関連作品は

『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016年5月6日公開)』『スパイダーマン:ホームカミング(2017年7月7日)』でした。

 

『ヴェノム』とMCU

 

そしてこの頃に『ヴェノム』の公開が本格的に決まりSSUの物語が始まりました。*1

そしてこの頃はSSUはソニーズ・マーベル・ユニバース(SMU)と呼ばれていました。

 

ここで重要になるのがMCUと関わるのかどうかです。

まずMCUを統括しているケビン・ファイギは『ヴェノム』をMCUとつなげる計画はないと発表*2

しかし『ヴェノム』のプロデューサーであるエイミー・パスカルは『ヴェノム』および当時企画中だったシルバー・セーブルとブラック・キャット主役の作品『シルバー&ブラック』はMCUのスパイダーマンの付属物と言いました。*3

つまり、この時はマーベル側は特に関知しないが、ソニー側はMCUと同じ世界でも矛盾がないように作るという事だったのでしょう。MCUの人気にあやかってのマーベル映画、シェアード・ユニバースの企画であり、さらにあわよくばMCU入りもしたかったのでしょう。(マジで寄生だな……)

結局MCUとは別の世界という事になりましたが、この頃はまだMCUになる可能性もありました。

 

そして『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年4月27日公開)』の少し後に『ヴェノム(2018年10月5日公開)』が公開されました。

 

SSUのシリーズ化

 

この辺でSSUの企画が大量に判明し

ヴェノム3部作*4

モービウス*5

クレイヴン・ザ・ハンター*6

シルク、ジャックポット、ナイトウォッチ、『シルバー&ブラック』改めシルバー・セーブルとブラック・キャットそれぞれの単独作*7

などが報じられました。

 

その後、再びソニピクとマーベルでスパイダーマンの権利に関する話し合いがあり、トム・ホランドのスパイダーマンがMCUからSSUに引き抜かれるかもって話になりましたが結局元の状態で収まり、*8MCUスパイダーマンの3作目の製作が決まりつつ、トム・ホランドのスパイダーマンがSSUに出演することも可能な状態になりました。*9

 

その辺の期間で『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年4月26日)』、『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年7月5日公開)』が公開されたり、あとSSUの名前がソニーズ・ユニバース・オブ・マーベルキャラクター(SUMC)やソニー・ピクチャーズ・ユニバース・オブ・マーベル・キャラクター(SPUMC)になったりしてました。

 

そして『マダム・ウェブ』もここで企画が報じられました。*10

 

コロナとSSUの混乱

 

そして『モービウス』は2020年7月31日に公開予定だったのですが、コロナのパンデミックなどを受け公開が延びまくり2022年4月1日の公開となりました。

その結果、元々2020年10月2日公開予定だった『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ』が2021年9月24日公開となって当初と順番が入れ替わりました。

 

元々2021年7月16日公開の予定が2021年12月17日となった『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』も含めかなり順番が混乱しました。

 

そしてSSU2作目、2021年9月公開の『ヴェノム:レット・ゼア・ビー・カーネイジ(2021年10月1日公開)』でSSUとMCUは別の世界であることが劇中の描写でも確定しました。

またその頃にソニーズ・スパイダーマン・ユニバース(SSU)という呼び名に変わりました。

 

そして『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム(2021年12月17日公開)』および『モービウス(2022年4月1日公開)』でSSUとMCUはマルチバースのそれぞれの宇宙として関わっていくことが判明しました。

 

 

また、その頃

エル・ムエルトの企画と*11

 

ヒュプノ・ハスラーの企画*12

が判明しました。

 

SSUの終焉

そしてMCUスパイダーマン4作目に関して、ストリートレベルのストーリーにしようとするマーベル側と、マルチバースのストーリーにしようとするソニー側で意見が割れていました。*13

つまり、MCU世界の話を一旦しっかりやりたいマーベルと、SSUとのクロスオーバーやスパイダーバース関連の話をしたいソニーという事だったのでしょう。

 

 

これ以降は大した動きもなくSSUの作品が公開されては酷評されていました。

『マダム・ウェブ(2024年2月14日公開)』

『ヴェノム:ザ・ラストダンス(2024年10月25日公開)』

『クレイヴン・ザ・ハンター(2024年12月13日公開)』

一応『ヴェノム:ザ・ラストダンス』にて作中で倒されず、クロスオーバーのボスとして格も十分なヌルが登場するという伏線らしきものがありました。

しかし、これらの作品は独立性が高く特に世界のつながりを感じる要素もなかったためあまりシェアード・ユニバースらしくありませんでした。

 

2026年2月に遂にSSUシリーズの終了が報じられました。*14

まあみんなの予想通りというか、スパイダーマン抜きでスパイダーマン関連キャラだけやるという正気とは思えない企画だったので仕方ないかなと思います。

結局MCUのファンがSSUを見る事はあってもSSUのファンがMCUを見るという順序はほぼ起きなかったでしょう。SSUからMCUに与えられたものはヴェノムの欠片くらいで、共生とは程遠い結果でした。

ただ、SSUのヴィランメインのダークな作風は明るい雰囲気に寄って行ったMCUには無いものでしたし、単純に別シリーズだからこそMCU作品が無いときに隙間を埋めてくれた点は良かったと思います。上映時間の短さ、クオリティ、コスチュームを出し渋る感じ、すべてがひと昔前のアメコミ映画っぽくて懐かしい気分になるシリーズでした。

でもまあ、やっぱ終わって当然だと思う。

 

MCU版スパイダーマン4作目の『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』も2026年現在公開されている予告などからストリートレベルの話になりそうなので、SSU終了も大きな影響は無さそうです。

 

SSUのこれから

 

 

一応SSUに属している『スパイダー・ノワール』が2026年5月27日配信開始。SSUと同じ世界なのかは不明です。*15

『スパイダーマン:スパイダーバース』などに登場するスパイダーマン・ノワールとは別人のようです。*16

 

その他のソニーの作品として

アニメ映画スパイダーバース シリーズの続編『スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース』が2027年6月18日公開予定です。

 

企画段階の作品として

 

スパイダーグウェンが登場予定の映画『スパイダーウーマン』*17

 

『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』に出ていたスパイダーパンクが主役のスピンオフ映画*18

 

『ヴェノム』の主演トム・ハーディの協力の元製作中のアニメ映画のヴェノム*19

 

が報じられています。

総じて、スタンダードなスパイダーマン(ピーター・パーカー)を使わない解決策として、スパイダーマンの関連キャラを発掘していたSSUに対して、マルチバースの別バージョンのスパイダーマン/ウーマンに頼るよう方針を変えたように見えます。

一番重要な繋がりであるスパイダーマンを欠いたSSUに比べれば、別バージョンのスパイダーが主役の作品の方がまだ可能性がありそうです。

一応SSUの終了は新たなキャストでリブートという言い方をしているのでまた折を見て再度シリーズを作る気があるようです。

 

この辺から完全に私見ですが、その場合①MCUと被ってもスパイダーマン(ピータ・パーカー)を出す、②別のスパイダーマン(マイルズ)を主役にする、③MCUにスパイダーマンを出さないようにする、の3択くらいかと思います。

③は嫌なので①か②だと嬉しいですね。マルチバースにも皆慣れてきたと思うので①でも良いだろうし、マイルズも有名になったので②も悪くないと思います。

②の方がコミックにおいて以前やってたアース616で活躍するピーターとアース1610でピーターの死後に頑張るマイルズが時たま交流するという関係性を、MCUのピーターと新SSUのマイルズで描けそうなので、この説を一番期待してます。