プチバヤシのアメコミブログ

主に邦訳アメコミの紹介します。

DCの邦訳を読んでいくための解説①(DC全体。正史とエルス)

DCコミックスの作品は、今まで続いてきてこれからも続いていくメインの正史世界の作品群と、基本的に単発の正史ではない並行世界の作品群(エルス)に分かれます。

 

まずエルスについて説明します。

このエルスに分類されるのは赤ん坊のスーパーマンを乗せた宇宙船がアメリカではなくソ連に着いていた世界を舞台にした「スーパーマン:レッド・サン」のように根幹となる舞台設定などから違うものや、引退していたバットマンが帰還する「DARK KNIGHT バットマンダークナイト」や荒廃した未来世界で生首のジョーカーとバットマンが旅をする「バットマン:ラスト・ナイト・オン・アース」のように正史から先の未来で起こりうる事件を描いたものなどがあります。

簡単に言えば本編(正史)とはあまり関わりのない外伝。という所でしょうか。正史との関わりがない代わりに奇抜な設定や展開もあるので、そういうものを求めているならこちらです。

 

 

それに対してDCの正史というのは少し説明が面倒になります。

DCコミックスの正史はずっと同じ世界の話が続いているというわけではありません。時々宇宙全体が巻き込まれるような事件が起きて新しい正史世界が生まれます。新しい正史世界が生まれるといっても以前の正史世界での物語全部が消えて初めからやり直しということはなく、新しい正史世界でも以前の正史世界と似たような事件が起きていたということになってそのまま続きが描かれたりもします。

この辺のことを詳しく説明するのはまた別の機会にします。少なくとも邦訳アメコミを読む時にこの辺の知識が必要な場合は解説冊子などに書いてあるので細かいことは覚えてなくて良いです。

覚えておいて欲しいのは、DCにおいては正史世界に幾つか種類があるということです。

 

その種類とかも細かく分類するかどうかで何種類とするか困るのですが、邦訳アメコミを紹介していくのに必要なのは「リバース期」と「NEW52期」と「それ以前」くらいで良いと思います。

2021年現在の邦訳状況で行くと「リバース期」が最新のもの。「NEW52期」がちょっと前だけど最近。そして「それ以前」となります。

大まかな見分け方は「リバース期」の作品たちはメインカラーが青と白になってて、表紙にREBIRTHって書いてます。

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「NEW52期」の作品は表紙にTHE NEW 52!って書いてます。あとほぼNEW52なDCユー期というのもあるけどそれは別で説明します。

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それ以前の正史の作品や、こういうの書いてないけどリバース期の作品。とかの例外は紹介するときに個別に説明します。

まず「NEW52期以前」の作品たちの説明をします。この辺の作品を読む意義というのは古典的な名作を読むことになると思います。最近の作品と同じ世界での物語ではないのですが、邦訳されてるものは基本的に名作だったり現在も言及されたりオマージュされたりすることの多い作品がほとんどです。

次に「NEW52期」の作品たち。このNEW52の世界は、新規読者の獲得のためにそれ以前の世界での設定や歴史などの多くが無かったことになっておりそれぞれのヒーローの活躍が一から語りなおされていて特に初心者向けのシリーズとなっています。

最後に「リバース期」。「NEW52期」からの世界と地続きの世界なのですが、NEW52以前の設定や歴史が復活し始めています。復活し始めているのですが邦訳されてる作品の中でその辺のことが関わってくる作品は実はそんなに多くないので気にしなくても大丈夫です。DCの作品全体がNEW52期で一区切りついて、そこから更に新章に突入してるのがリバースなのでここから読み始めても大丈夫です。

 

ここまで長々と書きましたが「じゃあどれ買えばいいの?」という問いに対する答えは結局「自分が気になったものを好きなように買う」となります。勿論、1冊2,3000円する高い買い物なので失敗したくない気持ちはわかります。そういう人のためにこのブログ始めてるところはあります。しかし最初の一冊で必ず成功するというのは難しいです。僕らも初心者向けをいっぱい考えるけど人によって合う合わないがあります。

なのでどうせなら自分が興味を持ったものを買ってください。邦訳アメコミは中に解説があるのでそれを読めば大丈夫です。細かいことは読んでるうちに後からついてきます。

同じシリーズ作品でも題名が変わってれば1巻ごとにある程度話が区切れてます。直接繋がるやつは『バットマン:〇〇1〜4』みたいに同じ副題の中で分かれてます。ただ、本編と外伝みたいなトラップはあるのでそれは気をつけてください。